高橋尚夫宗学究所指導教授(大正大学名誉教授)が、四章「問疾品」を講義。聖徳太子以来、日本仏教で最重要視されてきた菩薩の生き方を説いた。

高橋教授は1999 年7 月、大正大学綜合佛教研究所調査団としてチベットボタラ宮に入り、現存しないと思われていたサンスクリット写本を発見。「原典の発見で訳の混乱が解消された」と語った。

「悟っているがあえて輪廻を受け入れる」菩薩の生き方を解説。「縛られている人が縛られている人の縄を解くことはできない。

それと同じように自分が(苦から解放されていないのに他人を解放することはできない」と話した。

毎回出席している白石凌海現代教化研究所研究員は、「かつて興福寺で行われていた維摩会が現代に蘇った」と称賛。次回は9 月19日午後1 時から。講座の成果は『維摩経ノート』として、ノンブル社から順次刊行中。2017・6・29仏教タイムス記事、抜粋