【東西霊性文庫 第三巻】
タイトル:3 はた織りカビールの詩魂
著 者:
小林圓照(花園大学名誉教授)
本体価格
2,300円+税
四六判/並製/カバー装
総 頁
216ページ
刊行年
2011.10.28
ISBN978-4-903470-58-0
本書ではまず、カビールの時代や思想史上の位置を概説し、ついで彼の神秘思想の源泉に禅的な要素を汲み、さらに『カビール・グランターヴァリー』のなかの「真正の師匠」を問題とした第一章「聖なる導師の章」を中心に論述しようと思う。
内外からのカビール関係資料の網羅ないしは言語学的な用語の分析、または宗教詩としての文学的評価などの点では筆者の能力の限界をはるかに越えているのであるが、あえて試論を提するものである。
【
目次】
序 文 カビールのヒンドゥー的霊性とイスラーム神秘主義との出会い
第一章 はた織りカビールの生涯とその詩魂
・はた織りカビールの生涯
はじめに
1 カビールの時代と生い立ち
2 カビールをとりまく時代思潮
A ヴァイシュナヴィズムとベンガル神秘思想のカビールへの影響
B イスラーム教神秘思想とカビールの時代
C カビールの思想とキリスト教
D カビールからスィク教へ
E カビールパント(カビール派)たち
・カビールの神秘体験
A カビールの語録と用語
B 神秘の根源
C カビールの信愛と智の道
第二章 カビール詩における「真正の師匠」(サット・グル)
・カビールの時代の師資観
・真正の師匠
1 正師との邂逅
2 師資一如への道
結 語
第三章 カビールにおける霊性とその諸相
・カビールの「空」
・カビール詩の「中」
・カビールの信と名号
・カビール詩における死と不死
はじめに
1 死に関連する用語
2 人生の無常と死の比喩
3 死神への抵抗と挑戦
4 称名による死の超克
5 生きながらの死
6 不死の都
結 語
付 録 一 はた織りカビールの詩と鈴木大拙居士
付 録 二 カビール研究の今昔―回顧と展望―
参考文献 A 本書構成の素材となった初出論文・資料一覧
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