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鈴木大拙 没後50年記念出版 
☆第1弾 ! 無量光・名号〈英文対訳〉鈴木大拙
☆第2弾 ! 妙好人、浅原才市を読み解く〈英文対照〉鈴木大拙
☆第3弾 ! アジアの社会倫理の底流と仏教思想〈英文対訳〉鈴木大拙 

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タイトル:短篇小説集秋ぐみ

著  者:小山榮雅  
 
定価:1,890円(税込)

四六判/上製/カバー装

刊行年:2002.07

ISBN4-931117-62-7

装丁:梶山俊夫



江戸時代には、いまの台東区蔵前一丁目の隅田川沿いに、南北にほぼ一キロにわたって「浅草御蔵」があった。

幕府は、「天領」で収穫された米をここに貯蔵し、旗本や御家人への扶持米とした。

この米を換金する仕事をしをしたのが「札差」である。

この札差のなかに「江戸の三大家」といわれた右足の不自由な俳人がいた……

江戸時代の俳人、夏目成美をかたる『遅日』。

大正時代の作家、葛西善蔵の墓参をめぐっての感懐を描いた標題作『秋ぐみ』ほか六篇をおさめる




「あとがき」より

大正時代のほぼ全般にわたって作家活動をつづけた葛西善蔵は、昭和三年(一九二八)七月に、東京の、世田谷村大字池尻三宿の借家(現、世田谷区三宿一丁目)で亡くなった。四十二歳であった。

東京で荼毘に附された遺骨は、郷里の、青森県弘前市新寺町にある「法蔵寺」に埋葬された。生前は「酒仙」といわれるほど酒が好きだった。このため、葛西はアルコール中毒であった、と断定する論者までいるほどである。かれの晩年の作品を読むと、確かに、そうした面がなくもない。

かれの戒名は、誰がつけたのか、

「芸術院善巧酒仙居士」

という、まことに「俗臭」フンプンたるものである。これは、恐らく、出家した僧侶の手になる戒名ではない。文学仲間か誰かが、余計なおせっかいで、横から口を出してつけた、ほとんど「正覚」の香りのしない、品格のないものである。

葛西善蔵の遺骨は、昭和五十六年(一九八一)九月になって、娘さんによって、北鎌倉の建長寺の中にある「回春院」の墓地に、分骨された。これによって、東京近在の葛西ファンも、葛西善蔵の墓参が容易になった。

葛西善蔵の文学は、俗に「破滅型の文学」なぞとも言われ、かつては、多くの若者たちに愛された。特に、三十二歳の十二月、青森の郷里へ妻子を残し、一人上京していた葛西は、北鎌倉の「宝珠院」に移って、そこで、文学との孤独で壮絶な格闘をくりひろげたのである。

そして、そのさなか、葛西の身のまわりの世話をやいた「浅見ハナ」という、十四歳も年のちがう、二十歳の娘さんとの、文学以上に切なく、身にしみるかかわりが、文学青年の胸をゆさぶり、葛西は、この浅見ハナさんを、作品のなかでは、「おせい」という、もの悲しい名前でたびたび登場させていて、そのこともまた、三十年ほど前までの若者たちの情感を、文学的に、ほどよく刺激したのであった。

いまからみれば、「文学」というものが、そういうかたちで読者に入りこむ抒情的空間を、充分に持ちあわせていたということにもなるのであろうが、葛西善蔵の残した、

 秋ぐみの紅きを噛めば酸くしぶく

  タネあるもかなしおせいもかなし

という歌は、そういう文学青年の心を無性にふるいたたせ、そうした青年が、結婚をしてのちもなお、文学との密通の快感を捨て切れない夜なぞは、同じ思いの友人たちと酒をくみ交わし、悪酔いの果てに、葛西の歌をもじって、最後の「おせいもかなし」の「おせい」のところへ、自分の女房の名前や、かつての恋人の名前を当てはめて口ずさみ、悪態をついたりしたものであった。まことに、滑稽なことではあるが、そういうところにも「文学」が自生する可能性はあったのである。

遠く、おぼろなそうした光景は、すでに、化石の一部となり果ててしまったのであろうが、そういう「現実」が、かつては、線香花火のきらめきのように、貧しい町の安酒場では、若者たちのはかない夢と結節していた。

北鎌倉の「回春院」の墓地に新しく墓をつくり、そこへ葛西善蔵の分骨を埋葬したのは、この「おせい」さんこと、「浅見ハナ」さんの娘さんである。そして、いまは、その墓に、平成四年(一九九二)十二月に九十三歳で亡くなった「おせい」さんも、愛する葛西善蔵と共に、眠っている。


タイトル:洗 心—自見直法話集

著  者:
本体価格3500 円+税
A5上 


真宗の要・報恩講での法話集。親鸞の教え・念仏の心を説いた珠玉編13話。


露の光る

タイトル:
露の光るように
著  者:西村惠信
[第二刷]
本体価格4369円+税
A5判上製 
総頁276ページ
ISBN 4-931117-18X


限りある「いのち」のどこに真実を見いだすべきか。
いま、問いなおす日本人の心と情。
 [邂逅の章][開眼の章][瞑黙の章]の3部からなる名著。


関連本:ケーブルカーのであうとき
    花のありか

 

タイトル:大悲の呼びかけ
著  者:
坂東性純

《煩悩の私から新しい自己へ》
仏教とは何か、また法然、親鸞の教えについてわかりやすく説く。


[品切
 
 

もくじき

タイトル:
木喰行
著  者:
須佐知行
本体価格2143 円+税
四六上 

後およそ二百年、今なお魅了してやまない「木喰上人」。

全国の木喰仏をたずねて八年もの間、ひたすら微笑仏をめぐる旅をした。
はじめは微笑仏をたずねる旅だったが、ついには木喰上人その人を求めての道へと変わっていった。
上人の息吹を追ったその道のり、それは自らの木喰行とも重なる旅行きでもあった。
木喰と微笑仏の魅力を描い
て秀逸。 

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